映画の基礎となる理論は古くローマ時代から存在した。1834年に英国人のジョージ・ホーナーが、少しずつ動く絵を内側に貼った円筒を廻すことにより動いているように見えるゾーイトロープという玩具を発明。実際に写真を使った映像が残されているのは、1878年にやはり英国人のエドワード・マイブリッジが24台のカメラを並べて走る馬を撮影したものが最も古いものである。1889年になりイーストマンが長尺フィルムを発表し、エジソンは箱に仕掛けられたフィルムを覗く方式のキネトスコープを発明。ニュージャージー州に建てられた「ブラック・マリア」と呼ばれる世界初の撮影所で断片的な映画が次々に作られた。この見世物はたちまち全米に広がったため、エジソンはこのシステムを大量に販売して利益を得ることを目論んだ。彼の発明した蓄音機と連動させた発声映画を世に出そうと覗き穴方式で満足している間に、映写幕に映して一度に大勢の人が楽しめる方法が各国で研究された。先陣争いに勝利したのはリュミエール兄弟である。1894年8月にパリの街頭でキネトスコープを観たリュミエールはこの映像からヒントを得て、シネマトグラフを完成。1895年12月28日、パリのカフェで12本の断片とも言える短編を上映した。まず「工場の出口」に人々は圧倒され、「列車の到着」では近づいてくる列車に観客は腰を浮かせたという。エジソンがヴァイタスコープをスクリーンに上映したのは半年後の1896年4月23日である。従って映画の発明者はリュミエール兄弟であるという説が有力であるが、アメリカには異論があるようである。この後、フランスでは劇場の経営者であり、かつ魔術にもたけていたジョルジュ・メリエスがトリックを使ったおとぎ話的な数々の作品を発表。アメリカではエドウィン・ポーターが現れた。参考文献:キネマ旬報社刊「「アメリカ映画史」「フランス映画史」



アメリカ映画の誕生(1894-1906)

 キネトスコープ作品
  1.くしゃみの記録(1894)
  2.怪力男サンドウ(1894)
  3.床屋の風景(1894)
  4.J.C.コーベット対コートニーのボクシング(1894)

 エジソン社の作品
  5.M.アーウィンとJ.C.ライスの接吻(1896)
  6.アナベルの踊り(1896)
  7.闘鶏(1896)
  8.鳩への給餌(1896)
  9.神学校生徒の枕投げ(1897)
 
 インターナショナル・フィルムの作品
 10.デュウォース・ウィスキーのCM(1897)

 エドウィン・S・ポーターの作品
 11.大列車強盗(1903)
 12.アンクル・トムズ・ケビン(1903)
 13.レアビット狂の夢(1906)

 イギリス映画
 14.支那における伝道会の攻撃(1900)
    ジェームズ・ウィリアムソン
 15.火事だ!(1901)
    ジェームズ・ウィリアムソン
 16.メリー・ジェーンの災難(1903)
    G.A.スミス
 17.ローバーによる救出(1905)
    セシル・ヘップワース




フランス映画の誕生(1894-1906)

 シネマトグラフ−1895年12月28日公開作品
  1.リオンのリュミエール工場の出口
  2.海水浴       3.赤ちゃんの口喧嘩
  4.列車の到着    5.エカルテ遊び
  6.壁の破壊

 その他のリュミエール作品
  7.赤ちゃんの食事(1895)
  8.海岸を離れる小舟(1895)
  9.雪合戦(1895)
 10.水をかけられた水撒き人(1895)
 11.写真会議委員の上陸(1896)
 12.リヨンの消防隊(1896)
 
 ジュルジュ・メリエスの作品
 13.不可能な世界への旅行(1901)
 14.月世界旅行(1902)

 フェルディアン・ゼッカの作品
 15.或る犯罪の物語(1901)
 16.アリババと40人の盗賊(1902)