カルト&怪奇映画は観る者を未知の世界に導く、いわば大人のおとぎばなしと言えるかも知れない。文学作品の映画化が少なくないが、最も多く取り上げられたのはエドガー・アラン・ポーであろう。1909年にはD.W.グリフィスが名前をそのままタイトルとした「エドガー・アラン・ポー」を発表し、1912年には「The Raven(大鴉)」が誕生している。「月世界旅行」を作ったフランスではなぜか定着せず、戦前この手の映画を引き受けたのはアメリカのユニヴァーサルである。フランケンシュタインやミイラ男などの”モンスター”が一世を風靡し、ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシの2大怪奇映画スターに、狼男のロン・チャニーが生まれた。しかし、彼らが他のジャンルの映画で成功することがなかったのは、役柄の印象があまりに強かったからであろうか。そして忘れてならないのはユニヴァーサルの成功に刺激されて設立された群小の映画会社である。1940年から50年代にかけて、低予算で製作されたおびただしい作品が氾濫した。カルト&怪奇映画には添物、ゲテモノ映画という印象がつきまとうが、この頃の製 作者に遠因があるとも言える。それでも熱狂的なマニアが多いのもカルト&怪奇映画の一面である。アメリカには専門のビデオショップがあり、テレビでも放映されることのない”宝物”を求めてファンが集まり繁盛してるらしい。 |